物流業務の過重労働が問題視されるようになり、アウトソーシング化の需要が高まっています。しかし、あらゆるシーンでコスト削減が行われている中、新たなシステムを導入することに積極的ではない担当者様は多いです。物流業界のアウトソーシング化にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
こちらでは、物流のアウトソーシング化に関するコストや導入のタイミング、注意点について、実際の導入事例やメリット、アウトソーシングシステムの選び方などを交えて解説します。これから物流アウトソーシングの導入をお考えの企業担当者様は、ぜひ参考にしてください。
目次
過重労働が問題視されている物流業務は、アウトソーシングを導入することで人件費のカットや正確な業務を実現することができます。しかし、物流アウトソーシングの導入にあたりコストが気になるという企業担当者様は多いでしょう。そこでこちらでは、物流のアウトソーシング化にかかるコストや導入のタイミングについて解説します。導入前にコストについて知っておくと安心です。
物流業界のアウトソーシング化には以下のような費用がかかります。システム導入を検討する前に、どれくらいのコストがかかるのか把握しておきましょう。
物流アウトソーシングを導入することで発生する毎月の支払いは以下のようになります。どのようなコストがどれくらいかかるのか、あらかじめ把握できていれば収支のバランスが取りやすいです。
商品の保管や維持管理にかかる料金
物流をアウトソーシング化することにより、在庫の保管・維持管理のための費用が発生します。倉庫を持つと維持費や管理費がかかるため、自社管理とアウトソーシングではどちらがコストパフォーマンスに優れているのかを比較してみましょう。在庫の保管料は、1スペースあたりの金額を月額で支払うところがほとんどです。
検品料や出荷代行料など
自社で商品の保管を行う倉庫を所有していない場合、入荷や出荷、検品などの作業をアウトソーシング化することになります。その際にかかるのが、検品料や出荷代行料などです。ピッキングの代行まですべての作業を依頼する際は、1箱に対して単価が発生します。また、手作業が発生する場合は、人件費が加算されることもあるので注意してください。
配送料
入出庫管理や出荷作業などをアウトソーシング化することにより、配送料をまとめて別途支払うことになります。どの配送会社を使うのかによって料金が変わるため、事前に比較することも重要です。
システム手数料
現在、物流企業が取り入れているアウトソーシングのほとんどが、倉庫管理システムや在庫管理システムです。その際にかかるコストがシステム手数料となります。システム手数料は業者によって異なるため、しっかりと比較してから導入しましょう。
従量課金制
毎月の物流量が安定していないという企業は、サービスを利用した分だけ支払う「従量課金制」がおすすめです。
完全定額制
定額制は物量に左右されないコスト管理ができます。小さなECサイトよりは、大規模な事業者向けといえるでしょう。
固定費プラス坪単価
最も一般的な請求は、システム利用料といった毎月の固定費にプラスして、利用したスペースの使用料金を支払う方法です。坪単価で計算されることが多いです。
カスタマイズ制やオーダーメイド制
上記のいずれにも当てはまらず、企業に合わせてカスタマイズできる方法です。どのような業者やシステムを利用するかは、企業の目的によって様々です。企業に合わせてカスタマイズやオーダーメイドができるのは、業務が多様化する物流業界にとってメリットが大きいといえるでしょう。
通販事業を始めたばかりの頃からアウトソーシング化をしているという企業は多くありません。そのため、将来的にアウトソーシング化をお考えの企業担当者様にとって、実際にどのようなタイミングで導入したらいいのか、気になるところでしょう。ここからは、どのタイミングで導入するのがベストなのかを解説していきます。また、選び方についてもご紹介します。
物流のアウトソーシング化で失敗しないためには、現在自社が抱えている課題や問題を把握しておく必要があります。抱えている課題や問題は企業ごとに異なりますので、アウトソーシングを導入する際は、あらかじめ明確にしてまとめておくことが重要です。
例えば、食品や化粧品などは品質管理が重要ですし、別途でギフトラッピングも必要になります。また、アパレルの在庫管理は、商品の撮影や採寸なども業務管理のひとつです。このように、現状の課題や問題を把握したうえで、アウトソーシング化による解決策を見出すことができれば、導入を検討するタイミングといえます。
ネット通販を始めた頃は物流も少ないことから、小さな倉庫を借りて行うことが多いです。しかし、業務が拡大していくと、倉庫が狭くなり移転を検討するタイミングがあるでしょう。会社の成長により倉庫の移転を考え始めた場合は、物流のアウトソーシング化を検討するベストなタイミングといえます。
アウトソーシング化といっても、サービスを提供している業者ごとにシステムの内容は異なります。自社の課題を解決できる業者やシステムを選ぶ必要があるため、それぞれのシステム内容や機能をしっかりチェックしましょう。チェック項目としては、業務範囲のほか、倉庫の立地や料金なども重要です。それ以外にも、荷物の保管状況や包装、輸送や配送の仕方などチェックすべき項目はたくさんあります。
アウトソーシングを導入する際には、アウトソーシング業者の選び方が重要になります。業務委託をする前に確認しておきたいポイントや注意点について覚えておきましょう。ここからは、アウトソーシングしづらい状況やアウトソーシングの形態について解説します。
これからご紹介する状態に当てはまる場合は、アウトソーシングを導入する際に自社の業務を見直す必要性があるかもしれません。
業務を委託すると、課題に対しての対応や時間の短縮、業務の効率化、人件費の節約などの効果が見込めます。しかし、人材育成を重要視している企業にとっては、アウトソーシング化によって自社の従業員に知識や経験が与えられない=人材育成ができないという事例もあります。人材育成を目指す企業は、大切な業務を委託する業者の選び方や、委託する業務範囲を見極める必要があるでしょう。
業務の一部をアウトソーシング化する際は、委託先の業者との連携が必要不可欠となります。業務内容が多岐にわたる場合、想定外のことが起こる可能性があるため、スムーズに業務を進めるためにもうまく連携が取れる体制を構築しておくことが大切です。
物流のアウトソーシング化では商品の管理をすべて委託するため、商品の紛失が起こる危険性は常に考えられます。しかし、商品の紛失は自社でも起こり得る事例です。万が一、商品が紛失したなどのトラブルが発生した際はどちらが責任を取るのかなど、あらかじめ想定できるトラブルの対応について双方で話し合っておく必要があります。高額な商品を扱う企業は、アウトソーシングを依頼する前に事前に対応可能か確認しておきましょう。
名入れや裾上げなどの特殊な作業を行ってから発送する商品の場合、名前が間違っていたり、裾上げのサイズが違っていたりすると、ロスが発生してしまいます。また、そのような特殊作業が必要な業務は受注していない業者もありますので、あらかじめ確認が必要です。
一口にアウトソーシングといっても形態は様々です。それぞれの形態の特徴を比較しながら見ていきましょう。また、業者の選び方について、失敗事例をふまえてご紹介します。
定額系サービス
費用が定額となっている定額系サービスは、費用のわかりやすさが特徴です。料金をホームページなどに掲載していることが多いので、比較検討しやすいでしょう。また、大規模な物流会社ではなくても利用できるので、ECサイトを立ち上げたばかりのスタートアップ企業や物流会社へ参入したばかりの企業にもおすすめです。会社の規模にかかわらず利用しやすいのはメリットだといえるでしょう。
カスタム系サービス
カスタム系サービスでは、企業の業務内容に合わせてシステムをカスタマイズできるため、自社管理の業務内容により近づけることがメリットです。最初は定額系サービスを導入して様子を見て、カスタムの必要性を感じる場合は、カスタム系サービスに移行するのもひとつの方法です。
失敗事例として多いのは、委託先である業者へ業務を丸投げすることで目的達成や課題解決ができないことです。また、改善点を把握できないままアウトソーシングを導入してしまうと、現場の混乱を招いてしまいます。業務効率化や人件費削減、人的ミス改善など、どのような課題を解決したいのかを明確にする必要があるでしょう。コスト削減を目的としている場合は、導入前にしっかりとコスト計算をしておくのがおすすめです。アウトソーシング化はメリットも多いですが、必ずしもコストダウンできるというわけではないため、あらかじめ理解しておきましょう。
コーリングでは、「独自サービスを物流に反映させたい」「コストを重視したい」など、企業様のご要望に合わせて最適な物流プランをご提案します。物流のコスト削減・在庫管理システム・改善システムの導入をお考えなら、ぜひコーリングへお任せください。
今回は、物流のアウトソーシング化・システム導入を検討している方へ向けて、導入コストや導入するタイミング、アウトソーシングの形態などについて解説しました。アウトソーシングには2つの形態がありますので、それぞれを比較したうえで自社に合ったサービス内容を選ぶことが重要です。また、メリットや注意点も把握してから導入するとよいでしょう。
コーリングはさらなる事業拡大を目指すEC事業者様へ向けて、企業に最適な物流プランのご提案を行っています。システムを自由に組み合わせて利用できるオーダーメイドロジスティクスを標準装備しており、「独自サービスを物流に反映させたい」「コスト重視」などのご要望にお応えすることが可能です。20年間に及ぶ現場でのノウハウを凝縮したクラウド型の物流管理システム(WMS)のレンタルも行っています。物流コストの削減や費用についても、お気軽にお問い合わせください。
社名: | (株)コーリング 本社DC |
---|---|
役員: | 代表取締役 松井継太 |
本社住所: | 〒272-0127 千葉県市川市塩浜2丁目30 |
TEL: | 047-300-3524 |
FAX: | 047-300-3521 |
URL: | https://calling.jp/ |
事業内容: | EC物流代行業務 倉庫業の登録第6294号(2009年8月登録) |
従業員数 : | 41名 |
倉庫所在地: | 本社・塩浜DC 大多喜DC 館山DC 匝瑳(そうさ)DC |
主要取引銀行: | 千葉銀行 京葉銀行 三菱UFJ銀行 |