物流KPIという言葉をご存知でしょうか?
物流業務に携わっている方は聞き慣れた言葉ですが、実際にどのように算出されているのか、今一つわからないという方も多いのではないでしょうか。こちらでは、物流の指標や物流システム効率化の必要性について解説します。また、自社業務とアウトソーシングの違いについて、事例を踏まえてお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてください。
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近年、物流業界は人手不足が嘆かれ、業務の効率化が課題となっています。そこで注目されているのが、物流KPIと呼ばれる物流管理指標です。物流業界に携わっている方は耳にしたことがあるワードでしょう。しかし、実際にどのように活用したらよいのかわからない、という方も少なくありません。ここでは、物流管理指標にスポットをあてて、事例や計算式などについて詳しく解説します。
物流管理指標とはどのようなものなのでしょうか。KPIとは、「Key Performance Indicator」の略です。日本では「重要業績評価指標」と訳すことができます。つまり、物流管理がうまく機能しているかチェックするための指標のことを意味するのです。物流管理指標を導入するメリットとしては以下の点が挙げられます。
物流の現状を把握するためには、データ化して可視化することが大切です。社内の業務が増えるにつれ、現状の課題を把握しにくいという事例があります。データで見ることで、問題点の改善につながるのです。また、社内にレポートで共有することも効果的です。
物流はひとつの荷物を運ぶ際に、たくさんの人が関わります。また、日本国内や海外まで物流の幅が広く、業務の改善は関係者全員が一丸となって取り組む必要があります。物流管理指標を算出することで、データをレポートとして共有することができるため、改善しやすいというメリットがあるのです。
物流指標はそれぞれの項目で計算式があるため、評価に私情を挟まない公平な評価が可能です。また、レポートとして渡すことで、社内だけではなく取引先からの具体的な評価にもつながったという事例もあります。
物流管理指標は具体的にどのように利用したらよいのでしょうか。利用の際は、何を目的とするかを明確にすると、より効果的な改善につながります。具体的には、社内の業務効率の改善や、荷主との連携など。目的に合わせて様々な指標を組み合わせ、レポートとして共有することで改善に役立てましょう。
物流管理指標は大きくわけて3つの視点から分析します。項目により計算式が異なりますので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
コストや生産性に関する視点は、保管効率や倉庫内作業の生産性、実車率、積載率、日次収支などがあります。
保管効率は「保管間口数÷総間口数」で算出することができ、保管スペースが有効に使われているのかをチェックする指標となります。
人時生産性は、庫内の作業効率の指標です。物流現場でのピッキング作業や仕分け、絹本、梱包作業などの、主に従業員ひとりあたり、あるいは時間帯別での算出が可能です。計算式は「処理ケース数÷投入人時」となっています。
実車率は「実車キロ÷走行キロ」で算出し、車両の稼働状況や空車走行を減らして、効率のよい稼働を目指す指標です。
積載率は「積載数量÷積載可能数量」で算出し、効率的な配送ルートを見直す指標となります。
日次収支は、「1日あたりの収益-1日あたりのコスト」で算出されます。収支の悪化を未然に防ぎ、業務改善を目指す指標です。
誤出荷率やクレーム発生率などを算出し、品質・サービス向上を目指す指標となります。
棚卸差異は、「棚卸差異÷棚卸資産数量」で算出され、誤出荷や紛失・盗難などによる実際の在庫との差異を表す指標です。
誤出荷率は「誤出荷件数÷出荷指示数」で算出し、出荷先や商品の間違い、数量の間違いなどが、どのくらいの確率で発生しているかチェックする指標となります。
クレーム発生率は「クレーム発生件数÷出荷指示数」で算出。顧客からのクレームや誤出荷、書類ミスも含みます。
出荷指示遅延件数や配送頻度、納品付帯作業実施率などを算出します。
出荷指示遅延件数は「〆以降の出荷指示件数」を示し、遅延の改善をはかる指標です。
配送頻度は、「配送回数÷営業日数」で算出し、多頻度納品の改善を目指す指標となります。
納品付帯作業実施率は、「実施回数÷納品回数」によって算出。契約の付帯作業の実施が物流効率を悪くしていないかをチェックする指標となります。
以上の計算式を使い、問題点の改善に必要な箇所をレポートして活用しましょう。
自動車運転に関する法律の改正が、物流業界に大きな影響を与えました。危険運転の法律が改正されたのは記憶に新しいと思いますが、管理者の監督責任といった様々な法律の改正により、物流業界は働き方が見直されています。そのひとつが、業務のアウトソーシング化です。ここからは、物流効率化の必要性や、自社物流と物流アウトソーシングの違いについて解説します。
アウトソーシングの導入を検討されている方にとって、自社物流との違いは気になるところでしょう。ここからは、自社物流と物流アウトソーシングとの違いについて詳しく解説します。
自社物流は、商品の保管や在庫管理、受注、決済、梱包、発送業務まで、全て自社で行います。これらの業務を外部委託することをアウトソーシングというのです。業務は一緒ですが、根本的な性質が異なります。
メリット
バックグラウンド業務をアウトソーシングすることで、コアな業務に集中することができます。また、人件費のコスト削減ができることもメリットです。また、季節商品を扱っている場合は、費用システムを変動にしておけば、繁忙期や閑散期のリスクを回避することができるという事例があります。
デメリット
アウトソーシングする際は、自社の情報が外部に漏れてしまうという課題があります。契約の時点で、漏洩した際の規約を設けておくことが重要です。また、業務を外部委託することで、社内でノウハウの蓄積ができないことはデメリットでしょう。
メリット
自社で物流管理する場合は、物流ノウハウを自社で蓄積することができます。また、社内全体で情報が共有できるのもメリットでしょう。また、顧客のニーズを把握しやすいので、コミュニケーションも取りやすくなります。
デメリット
デメリットはコストがかかること。商品を保管する倉庫や人件費などは、なかなかコストカットが難しいです。また、発送業務に追われるので、コアな仕事に集中できないことも課題となるでしょう。
物流業界において、法律改正が業務に大きく影響しています。法律改正では、危険運転や管理者の監督責任はもちろんのこと、管理者の監督責任や配送の業務負担、運賃体系など多岐にわたる法律の改正が行われました。それに伴い、業務内容の改革の必要性が叫ばれています。物流業界における業務内容の改革とは、主に物流効率化のことです。物流効率化が叫ばれる背景を見ていきましょう。
物流業界の人手不足は深刻化しています。しかし、それに反比例して、宅配需要が増加しているのです。そのため、ひとりにかかる業務量が多くなってしまうのが課題となっています。人手不足の原因としては、少子化や高齢化です。特に物流業界は、内容によっては重い荷物を手積みしたり、深夜に移動したり、長時間運転したりと業務量が多いイメージがあるでしょう。さらに、人手不足ということもあり、過労働になりがちです。
2018年に働き方改革関連法が成立されました。この法律改革では、時間外労働の上限規則や、有給休暇の取得の義務付け、同一労働・同一賃金などが定められています。さらに、自動車運転業務には猶予期間が設けられ、2024年4月に施行される予定です。このことにより、健全な労働環境が保たれるわけですが、企業側としては人手不足の状態で法律が施行されると、今までとおりの業務が難しくなるのです。
上記のようなことが、物流効率化が叫ばれる背景となっています。物流効率化をはかるには社内改革だけでは不十分なため、アウトソーシングシステムの導入を検討する企業が今後も増え続けると予想されます。
今回は、アウトソーシングに関する物流管理指標や計算方式、事例などを解説しました。業務を効率化できるアウトソーシングにはメリットも多いですが、その分リスクも存在します。レポートを共有し、しっかりとその内容を把握しておかなければなりません。実際にコスト計算を充分に行わず利用したことで、逆にコストが増え、効率化できなかったという事例もあるので注意が必要です。
コーリングは、システムを自由に組み合わせて利用できる、オーダーメイドロジスティクスを得意としています。20年間に及ぶ現場でのノウハウを凝縮したクラウド型の物流管理システム(WMS)のレンタルも行っています。システムのことだけでなく、業務効率化のための物流コストの削減や費用についても、お気軽にお問い合わせください。
社名: | (株)コーリング 本社DC |
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役員: | 代表取締役 松井継太 |
本社住所: | 〒272-0127 千葉県市川市塩浜2丁目30 |
TEL: | 047-300-3524 |
FAX: | 047-300-3521 |
URL: | https://calling.jp/ |
事業内容: | EC物流代行業務 倉庫業の登録第6294号(2009年8月登録) |
従業員数 : | 41名 |
倉庫所在地: | 本社・塩浜DC 大多喜DC 館山DC 匝瑳(そうさ)DC |
主要取引銀行: | 千葉銀行 京葉銀行 三菱UFJ銀行 |